リソース集中の落とし穴

世の中のプロジェクトの中心的な技術者が一同に集まれば、サイコーなものができるかというと、そうではない。
それには色々と問題点があるのだろうが、今回は逆に、分散したほうがいいものが作れるのではないか、ということを考えてみる。
競争すれば刺激になってどうこう、というありふれた話は考えるまでもないので、それとはちょっと違うこと。


たとえばこんなシチュエーション。
Aさんは営業が得意だが、開発は苦手である。
Bさんは営業は苦手だが、開発は得意である。
この2人はいま、別々に仕事をしていて、それぞれ苦手な分野も1人でやらなければいけない。


こういうとき、2人が手を組んで、Aさんが営業をやって、Bさんが開発をやって、1つのものを開発して売れば素晴らしいことになるんじゃないだろうか。
2人の性格的な相性だとか、理想の食い違いだとか、そういうことは無しとして、シンプルに考える。
確かに、それぞれの得意分野に集中できれば、それはたいへんよい。
しかしだ。
それは、営業の全ての面でA>Bという関係が成り立っていて、開発の全ての面でB>Aという関係が成り立っていることが前提なのではないか。
「⊂」のような記号を使うと正確に表現できるんだっけ。そういうのよくわかんないけど。


何が言いたいのかというと、Bさんの営業の手法にも、Aさんにとって何か参考になる部分があったりするのではないか。
逆に、Aさんの開発やアイデアも、Bさんが思いつかないようなものがあったりしないか。
当然そういったことを話し合ってくれればいいのだろうが、お互いに相手にまかせっきりになるのが目に見えているし、そうするからこそ、得意分野に集中できて効果が上がって、手を組む理由が成り立つのだから、なかなか期待できるものではない。


世の中のバラバラになっているプロジェクトも、他の人が思いついちゃったことを、自分のプロジェクトに合うように取り込みながら、自分は独自のアイデアをひらめいて、実装して、他の人がそれを部分的に取り込んで。
そんなふうに影響を与え合っていくのも、いいのかもしれないし、集中させるよりも実はそのほうがよかったりするかもしれない。
まあ、世の中には人がいっぱいいるわけで、何事もオールスターが一番いいわけでもないから、そのプロジェクトに合うスタッフを集めてやるのがよいということだろう。
Aさんは開発力がA