音楽プログラミング

音楽が人の心に作用するのは、感覚としてなんとなく理解できる。
怖い曲を聞いたら怖い気分になるし、ゆったりした曲だとゆったりした気分になる。
だからそういう効果があるのだろう。
これはいわゆる疑似科学の論法だ。


ところで、音楽になんらかの効果があるとすると、音楽の何がそういう効果をもたらしているのかが気になる。
コード進行なのか、メロディなのか、音色なのか。
ひょっとすると、音楽に含まれる音の波形のある一定のパターンが作用しているのかもしれない。
それが偶然含まれているから、また、あるジャンルの音楽にはそういうパターンが含まれやすいから、なんらかの効果が発生する。
のかもしれない。
もし、純粋にそういう波形を抽出することに成功したら、音楽として認識できないような変な音でも心が癒されたりするかもしれない。
逆に、音楽の中にそういうものを意図的に含ませることができるかもしれない。
世の中を支配する気分(景気が悪いとか)にたいして有効な気分(がんばろうとか)の成分を含ませれば、狙ってヒット曲が作れるようになる。
売れない曲はそういう成分と歌詞が一致していないからいまいち共感できない、とか。


人間が音を認識するのは耳だ。
空気の振動を音として知覚するための器官なのだから、基本的には耳で聞く。
でも、耳以外の器官ではまったく音を認識できない、とは単純にはいえない。
ひょっとしたら目とか、肌とかでも部分的に感じているのかもしれない。
耳で聞こえる音の範囲は限られているが、それ以外の音はその他の器官で聞いていると仮定すると、CDの音よりも生の音の方がよいというのもなんとなく納得できる。


人間以外の、たとえば植物とか、無機物とかにたいして、音楽(に含まれるなんらかの成分)が影響する可能性はどうだろう。
植物にクラシックを聞かせると花がきれいに咲くらしい。
普通に考えたら怪しいことこのうえないが、現在の科学ですべてのことが解析されているわけでもないから、頭から否定できるものではない。
無機物に音楽を聞かせて何かが起こるとは考えにくい。
だがそれも、人間が見たときに何も起こってないように見えるだけで、認識できないレベルで何かが起こってるかもしれない。


人間に対して、ある種の効果を与える音楽が自由に作れるようになったら、その人が持っている記憶などを元に、メロディが思い浮かぶ音楽、とかもできるかもしれない。
音楽によって音楽を生成する。
無機物に何らかの作用を及ぼすことができれば、音楽を流すことで何かの作業ができるかもしれない。
もしそんなものが作れたら、使い方は平和な方向ではないのだろうけど。