歳月

ずっと昔、C言語によるDOS用ゲームプログラム解説サイトを作っていた。
とっくに削除しているから、いまは検索しても出てこない。
微妙にリンクが残っていたりするが。


主にシューティングゲームの作り方を初心者向け記事として書いていて、基本的なアルゴリズムを実際のコードとともに丁寧に説明していた。
つもりだった。
実はこれ、まだうちのハードディスク内に残っていて、少し前に開いて見てみたのだが、正直言ってわかりにくい。
その頃はそういったサイトがあまり無くて、ゲームを作りたいけどよくわからない人が数少ない情報を求めて来てくれていたのだが、いま思えば悪いことをした。
ちなみにサイトを作ったのは14年前、更新を停止したのは10年前である。


その頃と今とでは、ことゲームプログラミングに関しては、俺の技術力はほとんど変わっていないと思う。
にもかかわらず、DXRubyプロジェクトWikiの記事は、当時のものと比べれば、ずいぶんわかりやすさの点でマシになっている気がする。
一番大きな違いは言語だ。
Cで簡単なゲームを作ろうと思うと、原理的な部分から学び、コードを書く必要がある。
簡単なものを作るだけでもそれなりの規模になるし、それはそれで勉強にはなるのかもしれないが、本質的ではない。
作りたいのはゲームであり、ゲームのアルゴリズムであり、動くものなのだ。
でも、そのために作らなければならないのは、構造体のリンクリストだったり、描画アルゴリズムだったり、関数ポインタを利用したタスク制御機構だったりするのである。
Rubyを使うことを前提にし、DXRubyを利用することで、そういった本質的ではない無駄な部分は必要なくなって、ゲームプログラミングの楽しい部分に集中できる。
それでこそ、楽しいプログラミングだ。


いまではゲームプログラムを解説するサイトはたくさんあるが、CやC++で解説されたサイトは、俺から見て、やっぱりわかりにくいと思う。
Cを使う限り、そういう部分ってのはどう工夫してもそうなってしまうのだろう。
もっと簡単に、もっと手軽に、もっと楽しく、ゲームプログラミングにチャレンジできる言語・環境があるといいのに、と思ってきたし、いまでも思う。
せっかく久しぶりに復帰したのだし、いまならそういう言語もあるし、環境を提示することもできる。
まだしばらくは続けていくんじゃないかな。
楽しいし。